今年の7月に、美容室帰りに母校の図書室へ向かう道すがら、ピャッと吸い込まれた渋谷の古着屋 。("Birth Death"という)
服にはあまり詳しくない私でも、なにか無性に興味を惹かれる品揃えで、生地や縫製の仕方や時代背景など、私のしている印刷仕事にも共通する価値観がたくさん発見できるのが楽しい。
だが、この店を何度も覗くようになった一番の要因は、 なんと言っても、奇妙な磁場を発している小さな一角だ。音楽やアートや本、ポスターや国籍不明の人形など、どれをとっても物凄く濃厚な引力をもっている品々が揃えられており、始めて訪れた時には呆然としてしまった。
その時店内に流れていた中東のインディーズ音楽を始め、店長らしき男性に色々と教えてもらい、CDを数枚買った。自分の部屋と脳内を、無国籍化したい時にかけている。
「マーケティング」が商売の要だと考える種類の人には決して出来ないであろうセレクションに、久々にゾクゾクしている。
人の目を気にする前に、自分の世界をとことん掘り下げることが、結果的に他人にも響く何かを発するようになる近道なんだなあ、と改めて感じたのだった。
ところせましと並べられた雑貨の間に、
無造作にJoseph Beuysの"Postkarten"(木のポストカード)
が置かれているのも堪らない。
2 件のコメント:
最後の2行がとても真実をついていると思います。nyから日本へそれも もしかしたら何かに通じる近道かもしれませんね
匿名さま
どなたかは存じ上げませんが、コメントいただきまして有難うございます。
昨日ふと、頭にハコフグの帽子をつけた「さかなクン」のことを考えていて、彼も大好きな魚にまっしぐらだからこそ、本人も周りも幸せなんだろうなあ、と思いました。(ギョギョギョ)
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